特集:
2008/01/22 日記<譲渡担保>
譲渡担保
譲渡担保(じょうとたんぽ)とは、債権者が債権担保の目的で所有権をはじめとする財産権を債務者または物上保証人から法律形式上譲り受け、被担保債権の弁済をもってその権利を返還するという形式をとる担保方法である。
:ただし、広義の譲渡担保には担保の目的物を売却した代金として必要な資金を受け取った上で一定期間内に買い戻す形を取り、債権・債務関係を残さない売渡担保も含まれる。
:いずれにせよ、譲渡担保は民法|民法典が定める担保権(典型担保)ではなく、判例法上認められてきた非典型担保の一種である。なお、譲渡担保同様に当事者の設定契約によって生じる約定担保物権のうちで民法上に定められている質権および抵当権と類似した効果を持つことが多い。
:金融実務上非常に広く応用され、裁判所の手続きを経ないで簡易に実行できるのが特徴。
例
工場の機械を担保に入れて金を借りる場合(もちろん機械は工場側が従来どおり使い続けることができる)
意義
動産を債権の担保とする場合、不動産とは異なり抵当権が設定できず、質権しか用いることができない。しかし、質権では抵当権と異なり、担保の占有権を質権設定者から質権者に移す必要があるため、担保の目的物を担保設定者が継続して使用することができない。この場合、譲渡担保を用い、所有権を担保権者に移転しつつ、担保権者が担保設定者に担保の目的物を賃貸(賃料が利息に相当する)することで、動産においても抵当権類似の担保を設定することができる。
物権法定主義との関係
物権法定主義()の下で、なぜ譲渡担保という物権が認められるかについては、「慣習法ないし法の適用に関する通則法第3条(旧法例2条)に基づいて認められる」とある一方、民法施行法第三十五条は「慣習上物権ト認メタル権利ニシテ民法 施行前ニ発生シタルモノト雖モ其施行ノ後ハ民法 其他ノ法律ニ定ムルモノニ非サレハ物権タル効力ヲ有セス」という規定がある。その両者を加味して理論構成を行う必要がある。
法的構成
譲渡担保をいかに法的に構成するかについては、下記のように争いがある。なお、下記の論述は動産ないし不動産の所有権の譲渡担保を念頭においたものであるが、債権譲渡担保等についても同様に考えてよい。
所有権的構成
法的形式を重視すると、譲渡担保設定者から債権者へと担保目的物の所有権が移転し、債権者は担保目的以外に目的物を利用しない債務を負うにとどまると理解することになる。具体的には、実行段階前での目的物の処分および両当事者の一般債権者からの差押えがなされた場合に、債権者からは第三者が有効に権利を取得でき、設定者からは権利を取得できないのが原則となる。信託的譲渡説がこれに含まれる。
担保的構成
譲渡担保の目的である担保としての性質を重視する法的構成である。設定者に何らかの物権(所有権ないし設定者留保権)ないし物権的地位を認める見解である。
担保権的構成
担保権的構成によれば、譲渡担保の設定によって譲渡担保権者に移転するのは、担保目的物の所有権の一部であるところの担保権のみであると理解することになる。具体的には、実行段階前での目的物の処分および両当事者の一般債権者からの差押えがなされた場合に、債権者からは第三者が担保権のみを有効に取得でき、設定者からは担保権を留保された所有権を有効に取得できるのが原則となる。担保権説及び抵当権説が含まれることになる。授権説もこれに近い。
所有権の移転を認める担保的構成
二段階物権変動説、物権的期待説などがある。判例はこの立場であると理解できる。
公示方法
譲渡担保は公示によって第三者に対抗することができる(対抗要件)。譲渡担保の対抗要件は譲渡一般の対抗要件と同じく、動産については引渡し又は動産・債権譲渡特例法上の登記、不動産については登記、指名債権については確定日付ある証書による通知又は動産・債権譲渡特例法上の登記である。
実行
譲渡担保の実行には、帰属清算型と処分清算型がある。裁判によることのない、私的実行である。
清算
譲渡担保の実行においては、常に清算(担保目的物の価額 - 非担保債権額)が必要となる。この精算金の支払いと担保目的物の引渡しは同時履行の関係に立つものと解され、精算金が支払われるまで担保権設定者には留置権が認められる。
帰属清算型
処分清算型
転譲渡担保
関連項目
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